その時、 「.......え....」 私の横を通り過ぎた人。 ....なんで....今、会っちゃうんだろう。 ......もしかして.....見られた? 手の甲で急いで涙を拭くと、無言で私を追い越した彼に近づいた。 「........駿河くん!」 私が呼ぶと、彼は立ち止まって振り向いた。 「なに」 「お、おはよ.....」 「おはよ」 あれ......? もしかして......初めてかもしれない。 駿河くんに、挨拶を返してもらったのは。