「って、アキまだ起きてねーの?」
地味に弟の心配をして、部屋まで起こしに行くのはいつもハルカで。
「アキ起きろ。お前ガッコー遅れんぞ」
起きねぇと殺す、なんて物騒な言葉を並べながらも、兄さんなりの不器用な優しさが垣間見える言葉に、ふわりと小さく笑みがこぼれた。
「ふわぁ~…..。ねぇさん….おはよ…」
「ん、おはよアキ。遅刻するよ?ハルカと私はなつ兄に送ってもらうからアキも一緒に行こうよ」
「んん~…..オッケー…」
「てめぇさっさとしろ!俺らまで遅刻するだろ!」
三男、達色 璃月(あきつき)は私の二つ年下で中2の弟。
いつもは、年下のくせに調子こいてるちょっと腹の立つ奴なんだけど…..寝起きだけは憎めない可愛い顔をしている。
生意気だけど寝起きだけ、素直。
いっつもこんなに素直ならいいんだけど。