「達色くん、お弁当こんな感じで大丈夫?」 「え、あぁ....なんで笹宮が作ってんの」 「んー?....だってこれからお世話になるし」 「ハルカでいいよ」 「え?」 「みんな達色なんだから分かんねーだろ」 「あぁ、そっか。うん、じゃあ....よろしくハルカくん」 「よろしく、舞衣」 彼の声で呼ばれた彼女の名前。 彼女が呼んだ、ハルカという名前。 ぎゅっと胸が締め付けられて、涙を流さないように拳を握った。 ハルカの心に刻まれていく彼女の存在。 だけど私には、どうしようもできない。