「なつにぃー、学校まで車で送ってー」
「うん、いいけど...すーちゃんそれ穿いたまま学校行くの?」
長男、達色 南津海(なつみ)。
20歳で大学生のなつ兄は、何処か抜けてるけどいかにも優しいお兄さんって感じで、凄く自慢の兄。
「あ......。脱ぐ」
ジャージのズボンを穿いたまま上からスカートを穿いていた私は、慌ててズボンを脱いでソファに投げ掛ける。
「あ、こら。ちゃんと畳んで自分の部屋持っていかないとダメでしょ?」
「はーい…」
「うわ、きったね……。てか俺も送って」
「はいはい、じゃあ早く準備しな」
同じ高校に通う一つ上の次男、達色 悠佳(はるか)は、ボサボサの頭をガシガシと気だるそうに掻きながら…大きなあくびをした。
ハルカは、うざい。
その一言に尽きる、と言いたいとこだけど。