ずっと、キミの隣で




心臓の音を感じる。

速い。すごく、速い。


けど......割と、そうでもない。

好きって、こんな気持ちなんだろうか。


そこまで熱を持っていない気持ち。

これが、好きっていうのかな。


私は、片岡のことが好きなのかな――――。


「ご、めん……。帰る…..」


絞り出した声は小さくて。

自分でも気づかないうちに、彼の体を押して遠ざけていた。


片岡がどんな顔してたのか、どれほどの勇気を出してあの言葉を言ったのか、自分の気持ちも彼の勇気も何も知らないまま私はうちに向かってただ走った。