「あ、日直は後で職員室なー。提出物持って来るように」
あ……そう言えば今週、日直じゃん…..。
「ね、駿河くん。今日提出するのってこれだけ?」
「…….うん」
だるそうな顔でこっちを見て、ため息混じりに発せられた彼の声。
今日も低音ボイスがイケメンでなによりですね、ホント。
『すいませんねぇ、鬱陶しくて』と心の中で呟いて、少しだけ離されている机の隙間を見つめる。
隣の席の駿河 明斗(するが あきと)。
私をそこらへんの庭にいる小人だと勘違いしておられる羊飼い。
私はまだあなたに飼ってもらえる羊にもなれてないんですね、まぁそんなのどうでもいいんだけど。

