今日はずっと、雨が続いていた。


広げたままの傘を少し傾けて、空を見上げる。

雲の隙間から漏れた光が、やけに眩しかった。


大きな荷物を抱えて蹲っている彼女。


土砂降りの雨が、彼女を打ちつけていた。


「駿河....っくん.....。なんで.....」


なんで彼女はまた.....


―――――泣いてるんだ


「達色こそ.....」


"なんで"

と出そうになった言葉を飲み込む。


なぜか、聞いてはいけない気がした。