「なんで.....優しくしてくれるの?」


となりから彼女の小さな声が聞こえた。

彼女の声は、ただ俺のしていることに疑問を持っているような感じで。

でも、なんでって言われても.......そんなの、俺にだって分からなかった。


「は?なんでって.....」


花壇に咲いている、真っ白いスイセンの花。

"スキ"

そう言った彼女の言葉が、涙が、脳裏に焼き付いていて。

"ダイスキ"

思い出せば苦しくてたまらなくなる。