「…準備はいいかしら。」 「…はい、小鳥さん。」 荷物はほとんどないから、持っていくものは最小限のものだけ。 天星園の前にタクシーを止めてあるそうで、あとは乗り込むだけ。 「…今の気持ちはどう?」 「寂しいのと、これからの期待が入り混じって、何とも言えない気分です…でも、」 「でも?」 「変化は嫌いじゃないですから、」 そう言って笑うと、小鳥さんは「そうね。」と笑った。