私がやりたいこと、その一。
「みんなでお菓子パーティーをすること」
玲はこんなのでいいの?と控えめに聞いてくるけれど、私には十分だった。各々が持ち寄ったお菓子、それと学校長からの差し入れであるパイ。美味しいと評判の、駅前の紅茶屋さんの紅茶。丸いテーブルを囲んでお菓子をつまみながら、会話は弾んでいく。
「妃奈の新しい家のお母さん、どんな人なの?」
「お母さん…うん、小鳥さんは…出来る女の人っていうか…すごく、かっこいい人だよ。息子さんが何人もいるのが信じられないくらい綺麗だし…。」
「息子!?待って、何人いるの?」
「7人だよ?長男さんは結婚してていなくて…だから、6人かな。小鳥さんは基本的に海外で仕事だから、私は6人の兄弟と暮らすことになるはず。」
と言うと玲は目を手で覆って、上を向いた。いきなりどうしたの、と声を掛けると、玲は大きくため息をついた。
「つまり…妃奈、男所帯に1つの花ってことでしょ?気をつけてね?」
「?…よくわからないけど、ありがと、玲。」
「…本当に分かってる?」
もう一度はぁ、とため息をついて玲は私の口にチョコを突っ込んだ。
「あいううおおえい!」
「え?玲ちゃんありがとう?どういたしまして〜。」
もう玲ったら!
でも少しだけ、心は軽くなった。

