白雪さんと7人の兄弟

私が一ヶ月後に転校するという話はクラス中に広まった。
思い出作りの提案をした友人、玲の呼びかけもあってか、私の思い出作りに協力してくれるのはクラスの子だけでなく、先生もだった。

「さぁ、妃奈。貴女は何がしたい?貴女がこの学校で、この仲間でやりたいことは何?」

玲が紙と可愛らしいペンを私に差し出して、そう言った。
書き出せってことなのかな、と視線を向けると、その考えを読み取ったのか、玲は小さく頷いた。

カリカリ、と私がペンで文字を書く音だけが二人きりの教室に響いた。