海は綺麗だ。 だけど、海は嫌いだ。 あの時、俺がこの坂を駆け上がったりなんかしなければ。 俺がトラックになんか轢かれたりしなければ。 白雪の中に今も尚存在することができていたのかもしれない。 今でも覚えている。 はっきりと、聡明に。 トラックの近づく音。 体を劈くような痛み。 泣き叫ぶ白雪の声。 …あの時俺は何を言おうとした?