「あっ、ごめんなさい」 「あ、いえこちらこそ」 美春とふざけていたせいか、周りをよく見ていなかった。 そして、誰かの肩にぶつかったのだ。 目が合った。 黒髪の、ネックレスを首から下げた、背の高い男の人。 キラリとネックレスが揺れた。 シンプルな、地球のような模様の水晶だった。 同い年くらいかな。 彼に背を向け、再び家に帰るべく歩き出す。 そういえば、少しだけ目を見開いていたような気がした。