少し茶色っぽい髪の毛と幼い笑顔が印象的だった。 授業中に窓側の一番後ろの席で声を殺し、教科書で顔を隠しながら涙する白雪に、彼は動揺していた。 ー赤西秋人よりー 白雪は手紙の端に書かれていた彼の名前を見て、泣き顔を見られないように片手で顔を覆いながらペンを握った。 ーうんー 短い返事だが、秋人にとってそれは紛れもなく彼を喜ばせる言葉だった。