ー…。 「うっ…うぅ…」 小さく嗚咽する泣き声が聞こえる。 誰だろう。 「白雪ぃ」 私の名前を呼んでる。 少しずつ頭が動き始める。 ゆっくりと瞼を開けると、辺り一面真っ白。 少しだけ開いた窓の隙間からスッと入り込む風が冷たかった。 ふと、右手を握られていることに気が付き、その手の主を見ると春香がいた。 すぅ…と可愛らしく寝息を立ててベットの端に突っ伏して私の手を握ったまま寝ているようだった。