それでも、こんなにきちんと2人の間に『言葉』の存在する会話は初めてだったため、白雪は内心すごく嬉しく思っていた。 「ねぇ、そのほっぺの傷どうしたの?」 「…猫にやられた」 「嘘つくなし」 夏樹なりに誤魔化したつもりだったが、さすがに5年生であるだけあって、白雪はそのちょっとした嘘をすぐに見破った。 「いや…、今日喧嘩したからな」 そう言った夏樹の表情はとても穏やかなものだった。