白雪は夏樹を強く意識するようになった。 それは、特に恋愛的な感情ではなくて、『特別な何か』だった。 次の日、学校で会話することを望んでいた白雪に対し、夏樹は何食わぬ顔でいつもつるんでいる男の子達と騒いでいる。 ー…結局何も変わらなかったのか。 そう。変わらなかった。 確かに少なくとも二人の間の気持ちに変化はあったが、今まで通り、必要最低限の会話しか存在しなかった。 ただただいつもどおりの日々が過ぎていくだけだった。