届かない愛


その大きな足音はあたしの部屋の前で消えたかと思ったら。

勢いよく、扉が開いた。

「アンタでしょ!あたしのお金取ったの!!!!返せ!泥棒!」

お母さんがあたしの髪の毛を引っ張る。


痛い…
痛い…
誰か…助けて…

「…しら、な…い」

あたし、知らない。
何もしてないのに…

助けて…

お母さんの気が済むまで髪を引っ張られ、身体を蹴られたり叩かれた。