「この銃、弾が一つだけ入ってるの」
「…本物か、これ?」
「うん。…で、続き。私達全員が入ったら、鍵を閉めておくの。その間に、黒田は何かの紙に『氷室雪乃以外は三歩後ろに下がり、氷室雪乃は教室に入れ』って書いておいて。皆が戻ってきたら、私が陰に隠れてその紙を皆に見せて、鍵を開ける。雪乃が入ったら、すぐにドアを閉めるから、二人はカーテンを閉めてもらえる?」
「カーテン?」
「そう。教室全部のカーテン」
「無理だろ…」
「あれ~? 約束したでしょ? あの時」
顔をぐいっと近づけて詰めると、二人は気弱そうに「はい」と言った。
「カーテンを閉めたら、私は鍵を閉める。その後、雪乃を取り押さえて、銃を天井に向けて撃つの。雪乃も外の皆も、当然びっくりするでしょ?」
「まあ、普通はな」
「ここの教室って、ドアを閉めても声が聞こえるでしょ? 今回はそれを使うの」
「どういう意味だ?」
「渡辺、アンタには、立てこもり犯の役を演じてもらう」
「は!?」
トイレの外にも声が聞こえてしまいそうで、渡辺の口を慌てて塞いだ。
「声が大きい」
「もごご…」
「セリフは任せるけど、一つだけ言ってほしいことがあるの。『残念だったな、救世主がいなくて』って。それ以外は何でもいいから。…で、渡辺がそう言ったら、今度は黒田の出番」
「俺?」
「そう。黒田は、思いっきりカッコつけた、雪乃が嫌うキャラで立てこもり犯を追い出すセリフを言って。これもお任せするけど」
「どんなセリフだよ、それ…」
「そこは自分で考えてよ。雪乃が嫌うキャラをより知ってるのは、黒田でしょ?」
「…俺、やっぱり吐いていいか?」
「ダメ。こんな所で吐いたら、私達がここにいた証拠残っちゃうでしょ?」
「お前には情ってのがないのかよ?」
その言葉に、はっとした。
私には、情がないのか…?
「…本物か、これ?」
「うん。…で、続き。私達全員が入ったら、鍵を閉めておくの。その間に、黒田は何かの紙に『氷室雪乃以外は三歩後ろに下がり、氷室雪乃は教室に入れ』って書いておいて。皆が戻ってきたら、私が陰に隠れてその紙を皆に見せて、鍵を開ける。雪乃が入ったら、すぐにドアを閉めるから、二人はカーテンを閉めてもらえる?」
「カーテン?」
「そう。教室全部のカーテン」
「無理だろ…」
「あれ~? 約束したでしょ? あの時」
顔をぐいっと近づけて詰めると、二人は気弱そうに「はい」と言った。
「カーテンを閉めたら、私は鍵を閉める。その後、雪乃を取り押さえて、銃を天井に向けて撃つの。雪乃も外の皆も、当然びっくりするでしょ?」
「まあ、普通はな」
「ここの教室って、ドアを閉めても声が聞こえるでしょ? 今回はそれを使うの」
「どういう意味だ?」
「渡辺、アンタには、立てこもり犯の役を演じてもらう」
「は!?」
トイレの外にも声が聞こえてしまいそうで、渡辺の口を慌てて塞いだ。
「声が大きい」
「もごご…」
「セリフは任せるけど、一つだけ言ってほしいことがあるの。『残念だったな、救世主がいなくて』って。それ以外は何でもいいから。…で、渡辺がそう言ったら、今度は黒田の出番」
「俺?」
「そう。黒田は、思いっきりカッコつけた、雪乃が嫌うキャラで立てこもり犯を追い出すセリフを言って。これもお任せするけど」
「どんなセリフだよ、それ…」
「そこは自分で考えてよ。雪乃が嫌うキャラをより知ってるのは、黒田でしょ?」
「…俺、やっぱり吐いていいか?」
「ダメ。こんな所で吐いたら、私達がここにいた証拠残っちゃうでしょ?」
「お前には情ってのがないのかよ?」
その言葉に、はっとした。
私には、情がないのか…?


