コワレモノ―人類最後の革命―

「すみません、ここで」

茉湖が降りるのを確認すると、急いで私も降りる。一体何の用があるのか、地下駐車場に来ていた。

「茉湖、こっち!」

誰かの声がした。素早く物陰に隠れて様子を見る。茉湖は、二十代前半くらいと思われる男の人に呼ばれていた。

「あ、須戸さん…」
「あと五分で始まっちゃうから、急いで!」

なるほど、あの人は茉湖のマネージャーか。茉湖本人には話を聞けないけど、あの人になら聞けそうだ。

「あ、行っちゃう…」

茉湖とマネージャーはすぐさま建物の中に消えて行く。私も急いで後を追う。地下駐車場独特のうすら寒い風が体にまとわりつく。

「じゃあ、終わったらすぐ上のスタジオに移動して」
「はい」

茉湖がマネージャーと別れた。チャンスだ。

「あの~、すみません」
「はい?」

後ろから声をかけた。

「茉湖のマネージャーさんですよね?」
「そうだけど…君、学校の友達?」
「はい。あの、茉湖落とし物してたので…」
「ああ、ありがとう」

…渡したハンカチが私のだということは、どうやらバレていないようだ。

「あの…」
「ん?」
「ちょっと、聞いてもらいたいことがあるんですけど…」