コワレモノ―人類最後の革命―

「あなたがハッキングをしてこのサイトに来ているのは知っています。あなたは自分が今『夢壊し』のターゲットに選ばれているのはご存知ですよね？」
「知っています」
「私が今ここであなたのハッキングをバラせば、夢壊しを完了することができます。勝負しませんか？」
「…私に勝てるとお思いですか？」

才夏は挑戦的な態度だった。それも当然だろう。才夏の頭脳をもってすれば、ハッキングなんて朝飯前の夜食後だからだ。

「では、始めましょう。でもその前に、授業が終わって中断されると面倒なので環境を整えますね」
「ん…？」

そのコメントの直後。

「えっ！？」

部屋の電気が、全て消えた。明かりは窓からの光だけなのだが、今日はあいにくの雨で外も暗い。

「え、何！？」
「何だよこれ！？」

こんなこともできるなんて…。早速逃げ出したくなってしまった。

「さて、始めましょうか。あなたが先生のパソコンにハッキングして、メモ画面に『賀数才夏はハッキングをしている』と書くことができれば勝ちです。よろしいですか？」

勝負をしようと言ったのは私なのに、何故かルールは才夏が決めてしまった。少し不安だが、まあいいだろう。

こうして、私と才夏の大勝負が幕を開けたのだった…。