コワレモノ―人類最後の革命―

「…咲羅ちゃん、こうなりたくなかったら、もう夢壊しなんてしないでね?」

姫乃は銃で花梨の死体を指し示しながら言った。

「ま、これは命令じゃないから従わなくてもいいよ。でも、もし続けたらこうなるっていうのは覚悟しておいてね」

姫乃が再び私に銃を向ける。

「そうだ、咲羅ちゃんがこんなものを持ってきてたって先生に言うこともできるな~。やめないなら、これでもいいけど? どうする?」
「…」
「黙ってるってことは…そうしてほしいってことだよね。了解~。先生に言ってくるね~」
「…やめて…!」

姫乃が後ろを向いたのを見計らって、私は姫乃の方へと駆け寄り、姫乃の脇に腕を入れた。そしてそのまま、姫乃の腕をしっかりと掴んだ。

「ちょっと、咲羅ちゃん!?」
「…このまま終わらせないから!」

姫乃は手足をバタバタと運動させて抵抗する。だが、姫乃のお嬢様育ちがあだとなり、力勝負では私が上となった。

「や、やめて…!」
「これが嫌だったら、自分でついて来て」

脇から腕を抜く。その間に姫乃の手から銃を奪っておくのは忘れなかった。

「…早く」
「…」
「早く来なさい!」

今度は反対に、私が姫乃の方に銃を向けた。

「…分かった。ついて行くだけね」

私が一歩後ずさるたびに、姫乃が一歩前に出る。時間はかかるが、姫乃に夢壊しをするにはこうまでする必要があった。

姫乃の言っていることは、もう何も信じられなかったのだ。