私と二重人格の僕


「昨日、ヒロヤに話したんだが・・・その、人格についての話だ。」

....人格の話?
今まで、お父さんは人格について会話したがらなかった。
あ、でも一回だけした。
人格ができた初めに、「桜空、心配するな。ヒロヤはお前じゃない、赤の他人だ。」と言われた。

それっきりは、一度も..してない。


「桜空....」

くるり、と私のほうをむいて視線が合う。

「病院にもう一度、行ってほしいんだ。」

病院・・・

そこは、私にとってはトラウマでしかない。
拷問だよ、拷問。
キンキンした音ばかり聞かせられる。

もちろん、「嫌‼」と断る。

「だがこのままでいいのか?将来的にも。桜空、お願いだ。」

「どうせ....意味ないじゃない。これまで何回も行ってみたけど何も....わからなかった。」

「だが、」と言いかけたお父さんに、わたしは「そ、れ、に!!」と一つ大きな声でお父さんの声を打ち消す。

「それに....、別にいいんだよ?私は、ヒロヤはヒロヤだよ!ヒロヤも望んでないよ。こんなこと、しなくていい!」

「じゃあ、ヒロヤは一生桜空の身体で生きることとなるんだ。ヒロヤは男だ。考えてやれ。」

「じゃあ、病院にいってヒロヤの存在を消して、私の人格を戻すの?お父さんこそ、考えてやれ、だよ!」

「元といえば、桜空だけだった。前のように戻すだけだ。」

「この心情無し!お父さん、ヒロヤが消えていいの?」

「・・・ヒロヤは、赤の他人だ。」

「赤の他人?なにそれ、最低!」

「・・・・言い過ぎだった、すまない。だけど、病院、新しいところを見つけたんだ。かなり評判が良いところらしい。」

「どこも同じだよ、わたしは行かないから!」

ガチャ、と車のドアを開ける。

「おい!桜空。」とお父さんは呼ぶが、

「仕事頑張ってね、歩いていってくる。」

そういい、ドアを開けた。
「桜空‼」とお父さんの声を背後に、猛スピードで走った


お父さんのばか......‼
あんなに、私が病院嫌いだって知ってるのにどうして?

今話し合っても聞く耳を持たない。だから、私は、車を出た。
だけど、学校まで送ってほしかったなぁ。