「....…....」
っ、痛てぇ。
右頭がズキズキと痛む。
また、桜空と変わったのか、と気づいたのは数秒もかからなかった。
「桜空ー??」
片手にもった受話器から聞こえる、女子の声のおかげで。
「桜空ー、聞こえる〜?」
誰だ?
まぁ、いつも桜空と仲良しといえば、梨花か。
「あっ、ごめん!!ちょっと、しなきゃいけないことあるからごめん、切るね!」
と、適当な言い分をして、「え、っ!」と最後の一声聞いてから僕は電話を切った。
それどころじゃなかったからだ。
桜空とした約束。
そう、机の上にある紙に気づいたから。
急いで紙を見た。
一通り読んで僕はあのことはただの夢じゃない、と悟った。
’’返信してね。’’という最後のワードに、鉛筆を探すために引き出しを探った。
鉛筆、ではなく、ボールペンを見つけ手にとった瞬間、ご馳走に食いつくような早さでそのノートに書き留めていった。
’’俺も、桜空をみた!あれは、夢じゃねぇ!本当にあった現実だ!’’
僕は、テンションが上がってたのか、女子の前だから生理的に男気を振舞ったのか知らないけど少しワイルドで、けして僕らしくない文をスラスラかいた。
’’あ、そうだ。俺、部活休んじまった。ごめんな汗また、次こそは行くからな!’’
と書いて、ボールペンを紙の横へとおいた。
ハッ、と今気づいた。
紙の隣には、録音機があった。
ピッ━━━。
再生ボタン、を押した。
「あっ、えっと、お母さんから聞いたよ?声聞きたい、らしいね(笑)
ヒロヤの時も同じ声、じゃないの?どうして聞きたかったかわかんないけど…話すことないし、紙と同じこと言うね....。」
桜空の声だ....
あの時、白い空間で聞いた、あの、ふんわりとした滑舌がよくて女の子らしい声。
僕には出せない、そんな、声だ。


