「あなたがヒロヤ?」
白い空間の中、僕の声が聞こえる。
可愛らしい声、そう桜空の声だ。
でも、桜空の姿が見えない
「ああ、そう....!?僕の声なのか?男声だ。いつもなら、桜空の声なはず…。」
桜空の声とは違い、低い一般的な男子ボイス。
「ヒロヤなの?」
「あぁ、僕だ。君は、桜空?」
「うん、そうだよ。これは夢なの?」
「夢だろ。桜空と会話はできないはずだよ。」
「確かにね。あなたはどこにいるの?」
周りを見渡して、「白い空間しかないな」と僕は言った。
「私も…白い空間。」
「不思議な夢だ…。」
僕は辺りを再び見渡しながら一歩、一歩、前進した。
どうせこれは夢なんだ、と思って桜空に前から思っていたことを言った
「なあ、二重人格って桜空はどう思う?」
「…どう思うって?」
「ほら、二重人格である僕について....桜空は僕を桜空自身だと思ってるのかって言うことだよ。」
「そんなことない!」と可愛らしい声が急変したので思わず僕は「ひっ!」と声を上げた。
「ご、ごめん!
私、二重人格のことについてはあんまり深く考えたこと、ないんだ....。
でも、ヒロヤは私とは違う。私は私、ヒロヤはヒロヤだよ?
ヒロヤはどう思ってるの?」
あぁ、同じだ。
「ぼくも同じことを思ってる。ただ、同じことを思ってる、ってことはこれは夢の想像か、もしくは僕が桜空自身だからそう考えるのか…僕はこれからどうなるのか....そう、不安なんだ。」
「え!私と同じこと考えてる(笑)本当にすごいわ。でもさー、同じこと考えてるってことは、気が合うってことじゃないの?不安だけど、お互いこの体で生きてる。だから…」
「でもさ、この体は桜空、君のだろ?それに前までは僕の人格はなかった。僕は消えるべきだよなって思うんだ。」
「だけど、ヒロヤがこの体で生きるかもしれない。バトンタッチしないで一生ヒロヤのまま、だってあるんだよ?私、不安だよ。」
「ごめん、そうだよな。僕だけの問題だとばかり....」
僕は、少し感情的になりすぎた。
案外僕は不安でたまらなかったことに自分自身が驚いている。
自分に素直に生きよう、そう思った瞬間だった。
「そろそろ、夢から覚めようか、」
と僕は気持ちを落ち着かせたいばかりそう言った。
「ねぇ、これが夢じゃないかもだから検証のために目が覚めた私かヒロヤの人格がメモ用紙になんか書いて机の上に放置。その後、人格の変わったヒロヤか私がみてあれは夢じゃなかった、と承認してメモ用紙になんかマークをつけたす。」
「おぉ、いいな!というか、人格が変わる事になにかノートに記入するのはどうだ?」
「いいね!」
「じゃ、一旦さよなら。」
と僕はそういい、ありったけの気を引き締め夢から覚めるよう念じ続けた。
「っ!」
またか....
そう思った瞬間、またまっ暗闇へと落ちた。


