晴れ晴れしく始まる高校生活も、何だか味気ない。
少しずつ変化して行く隣のアパート建設現場を見る度に、遥隆はぽっかりと胸に穴が空いてしまった様な、複雑な気持ちを抱えながら日々を過ごしていた。
気付けば初夏を迎え、あっという間に1学期の期末テストもやってきた。
その頃になると、空き地には立派なアパートが建った。
入居者募集中、の看板が出ると、自分には関係無いのにもやもやとした気分になった。
あの場所は、なおちゃんの家なのに。
忘れる事にしたのに。
ついそう思ってしまう自分に、自嘲の笑みを零した。
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