キミが教えてくれたこと



それから僕達は自然と二人で過ごすようになった

登校、下校はもちろん、休憩時間や放課後休みの日まで常に一緒にいて僕にとって樹はとても大きな存在だった



「樹と譲二くんって仲良いんだね?」

中学2年になりクラス替えをしたことで1年時を知らない子達はいつも不思議そうに二人を見ていた


「そうだぜ!こいつが日本に来た時からな!」

な!っと樹は譲二に笑いかけ、譲二もそれに応えるように笑顔で頷いた


「なんだか不思議ー。樹と譲二くんって全く正反対なのに」


樹は2年になった途端背が伸び、野球を続けることで体格もよくなった

練習で日に焼けた肌はよりその体格をよく見せ、短髪でしっかりとした顔立ちに。


譲二は親譲りの白肌で手足や背はすらっとしている

月日を重ねる毎に綺麗に整えられた顔は大人びていた


性格も明るく社交的でリーダー気質な樹に対し、譲二は樹以外と話す様子もなくいつも樹の行動を見て微笑んでいた


「正反対だろうがなんだろうが、俺が一番信頼してるのはこいつなんだよ!」


「!」

そう言って樹は譲二の首に腕を回す

その時、譲二の心臓が大きく音を立てた


そう言って譲二くんにいろいろ押し付けてるんじゃないのー?、なんだとー!?

そう二人の会話が耳の端で聞こえる

全ての雑音が遠くに聞こえ、首に回された樹の腕の熱が直に伝わり顔がだんだんと熱くなる


「ちょっと、僕、トイレ…」

「?ああ」


樹はするりと腕を解き、譲二を解放するとその場を離れるように足早に行ってしまった


バタン!



階段を降り、人気の少ないトイレへと入った


息が切れ、心臓の波が早い


胸を押さえて鏡の前に立つと、思った以上に顔が赤かった


「な、んだ、これ…」


樹の先ほどの行動を思い返すとまた心臓が早くなる


なんとか火照りを抑えようと手の甲で頬を抑えるがなかなか治らない


その時は、自分自身にそこまで深く関わる人物がいなかったからただ突然の行動に恥じらいを覚えただけだと思った


平常心を保ち、その後は何も考えないようにいつもの日常に戻った


ただ少し、樹との距離を考えるようになっていった





それから少しずつ歯車が狂いだしたんだ