『そ…そんな…』

ーーそんなことってある!?

顔を真っ青にしながら青年を凝視するが、事態が変わるわけでもなくそのまま数秒の時が止まる


チリンチリン

小さな鈴の音が鳴って我に返るとそこには起きたばかりで体を伸ばしている愛犬が足元から出てきた




『ぱ、パスターーーっ』


「パスタ!?どう見てもチワワだろ!」

心細い気持ちを埋めるように、愛犬パスタを抱きしめて青年の言葉にムッとする


『パスタって名前なの!』

愛犬がいた事により少し気持ちが落ち着いてきた


「変わった名前だなー。お、でも結構男前じゃん!」


青年はパスタに近づき笑顔でそう言うと、自然に顔が近くなった


目尻が下がり、屈託のない笑顔と距離に一瞬ドキリとしたがパスタの抱きしめる力を強くし青年から遠ざける



『ぱ、パスタは女の子です!!!』


恥ずかしさを隠すように大声で伝えた。