「…翼、あまり無理するなよ?ほんとに困ったことがあったら俺を頼ってくれていいんだからな?」


いつもとは違う雰囲気にドキッとする。


「…うん」


そう言うと、またいつもの慧に戻った。

私の指に絆創膏を巻いてくれた。

「それじゃ、まだ練習あるから後でな」


慧は体育館に向かい走って行った。

慧に触れられた手がすごく熱くなる。


「……ありがと」


絶対に聞こえてないけど、

その言葉を告げてまた、作業を始めた。