少女たち





「同じ学校だったってのはあの時自販機の前で初めて知ったけど、その時はすごく嬉しくかったんだ。稀子の誕生日って5月6日でしょ?」






私は俯いたままこくりと頷く。




今顔を上げたら涙がばれる。





私が知っていたのは ‘滝川’ って名字とコンビニでバイトしている事の2つだけだったのに。








なんだか恥ずかしくて、もどかしくて、嬉しくて。




「滝川さん………」





「ん?」




涙が出てきても、私は言いたくて仕方がない。





ゆっくり顔を上げるといつものあの笑顔。
ふわっと優しいあの顔で私を見つめてくれる。





「滝川さ、んの事…好、きです。ずっと、前から」




泣いているせいか声がかすれて上手く言葉にならない。それでも滝川さんはふふって笑って聞いてくれた。





「それ、俺が今から言おうとしてたのに〜」





いつもみたいなイタズラに八重歯を出したあの笑顔で私の言葉を受け止めてくれる。



また、すきが積もる。



「ほら、ケーキ早く食べよ」




私の涙をそっと指で拭いながら私に再びフォークを持たせる。




私の目の前にいる彼が、
私と同じように ‘すき’ を積もらせているその行為が、また私のすきを積もらせる。








「アップルパイ、ひとくち頂戴」





あ、また。





すきが積もった。