少女たち




「それ完璧脈アリじゃん」



昨日の出来事を愛子にすべて話すお昼休み。







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「え?」


「そしたら一緒に帰れるでしょ?」


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「期待させるようなことバンバン言ってるねえ、ありだあり」



ほんとに昨日はドキドキしすぎて、滝川さんに自分の心臓の音が聞こえるんじゃないかって思った。



ほんとに緊張しすぎてあまり記憶が無いけど、家の近くまで送ってくれたってのは覚えてる。



その後もドキドキが止まらなくて昨日はあまり眠れなかった。



「なんだか幸せすぎるよ…」



今まで恋をしてこなかった分、幸せが怖くなってくる。



「いいじゃんか!っと滝川さんだ」




「えっ?!」





愛子に滝川さんの名前を呼ばれ驚いて声を上げると、前から歩いてくる滝川さんが見えた。





私たちに気づくとあの八重歯を出した可愛い笑顔でこちらに手を振って歩いてくる。





「おはよ、稀子。昼だけど」




ふあって柔らかい笑顔で声をかけてきたのにたまらなくて思わず見とれてしまう。




「稀子?」





「えっ、うあ!はい!お、はようございます!」





我に返るととっさに出た言葉をそのまま出してしまう。




隣で愛子が「ぷっ」と吹き出した。





「面白いよね〜稀子、ところでさ今日バイト休み?」



首をかしげて聞いてきた彼に私の想いは募ってく。