「そうですか…」

優希はエイリの目を、まっすぐに見つめていた。

「はい」

頷くエイリから、決して目を離さないで、次の質問を口にした。

「なぜ…私達に、学生証を見せたのですか?」


「そ、それは…」

エイリは、優希の口調…そして、自分を見る目に、彼女の質問の意味を理解した。

「写真です」

エイリは、優希から目を反らすと、

「オーナーは気付かなかったようですが…あなたは気付いたようですね…」


そう…気付いたとしたら、どうしてだ。女の堪…。同じ職場にいたからか…。

そんなのではない。

そんな気がしていた…エイリには。

「教えて下さい。彼女とオーナーの関係はわかります…。だけど、あなたと彼女の関係は…何ですか?」

プライベートなことだと思うが、エイリはきいてしまった。

優希は躊躇うことなく、エイリに真実を告げた。



「可憐は…あたしの娘です。あたしが産んだ…娘です」