今はもうその事は気にしてない。

だって 優弥と話せてる。 そのままだったら多分 ずっと話せてないと思うもん。

唯とは 少しずつ話せるようになって。

仲良くなりたいとは思わない。でも仲悪いのはいやだ っていう曖昧な気持ち。

私は蘭がいるし 唯にも仲良い友達がいるし。

このままでいいんだ。


「 ___… な、 怜菜ー 、怜菜 !」

「んえ?」

「なに変な声出してるの 、ほら次理科!移動教室だよ!」

理科 …

優弥と同じ班なの。

私くじ運なくて 優弥と同じ班になったことなくて。

もちろん隣の席も。

でも … 理科の班は出席番号順。

谷川優弥

髙橋怜菜

ほら "た"なの!

あんまり苗字なんて意識したことなかったけど 髙橋でよかった … なんて思ったり。

「あー、そうだった、忘れてた」

「さすが天然馬鹿。ほら行くよ!」

「天然馬鹿ってなによ!ちょっと!」

「そのまんま。」

「もー…」

よく天然 って言われる。

でも天然は私じゃない … 優弥の方が天然。

天然なのか馬鹿なのかわかんないくらいで 放っておけない感じ。

そんなところも好きなんだけどね…。