「クソみたいな点数とったのは、そこにいるりんりんもでしょ。だから、追試受けんだろ?」 夕月と呼ばれるその人は、名前だけではわからなかったけれど、背の高めな黒髪がよく似合うクールな感じの男の子だった。 「うるせぇよ。どいつもこいつも…」 「はーい。うるさいのは小林もだからなーお前ら全員席につけよー。追試やらんと全員帰れないからなー」 秋ちゃんが本日何度目かのため息をついた。 秋ちゃんの言葉を聞いた夕月くんは掴んでいた私の手を放し、ごめんねと小さく呟いて席に着いた。 びっくりしたな…