ウィィン。
音とともに電車の扉が開く。
中は通勤ラッシュのせいでもあり
たくさんの人で溢れかえっている。
ギリギリ入ったところで扉がしまった。

(セーフ…危なかったぁ…)

窓際に立っていると
次の電車にのる人たちが
ホームにおりてきたところが見えた。

駅員さん艶のある声が電車内に響いた。
音声が終了すると
しばらくして電車は動き出した。

学校までは3駅ある。
ガタンゴトンと電車は独特な音を
たてながら滑走路を進む。
いつもの日常。

そのとき、
いつもと違うことが起こった。
なにやらお尻に手があり、
触られている。

(え…??なに、)

後ろに立っている男の人から
手が伸びている気がする。

(やだ、気持ち悪い、)

恐怖で体が震える、
男の人は容赦なく触ってくる

純粋な芽衣に痴漢の知識はあるものの
実際にされたことがなかったので
思考が停止している
横には飛鳥がいる、
気づかれたら恥ずかしい、
けど助けてほしい

(え??)

恐怖で声がでず、腕を掴んで
助けを求めようとしても動いてくれない

(ばか、私の体、動ごいて、
動いてよ…!!)

男からの痴漢行為はまだ続く。
恥ずかしさで涙がでそうになった。