ふたりでひとつ


「…何が??」

一生誰にも祝福されずに
生きてくこと。
もちろん、親にも友達にも…。
飛鳥だけになって
いつか飛鳥が離れた時に
一人になるのが怖いこと。

そのことを全部話した

「芽衣は、俺が裏切るって思ってる??」

優しい顔した兄が
こちらに目線を向ける

生まれた時から一緒だった
飛鳥の事は私が一番知ってる

飛鳥は16年間なにがあっても
一緒に…そばにいてくれた
それどころか
多少冷たいところもあったけど
いつも助けてくれた
そんな兄が裏切る??

「…思わ、ない。
思わないよ、飛鳥」

「俺は芽衣がいたら
失うものはなにもない。
世界中のみんなが敵になっても
俺は芽衣を守り抜いて、
愛し続ける」

「そんな言葉…
私にはもったいないよ…」

瞳の奥から感じ取れる
真剣さ、決心の強さ
でも兄の頬はだんだんと
赤に染まっていった

「こんなの芽衣にしか言わない
…てゆか言えない…
うわ、はず、ちょ、こっち見ないで」

え??飛鳥、照れてる??

「あはは(笑)
飛鳥かわいー!!」

「芽衣サンのせいデスヨ」

照れた顔初めて見た…

飛鳥と久しぶりに
近づけた気がした