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私と星音の少し前を蓮夏と彩音の2人が何か話しながら歩いている。
『ねぇねぇ、知音。』
『なぁに?星音。』
『あの2人、何話してるんだろうね。』
『たぶん、生徒会のことじゃない?』
『あぁ、あの2人は確か会計と、書記だったっけ。』
『そうだよ。』
『あっ、知音、花夏(ハナカ)駅についたよ。』
『そうだね。』
『姉貴、俺らと同じ駅だっけ?』
『そうだよ、蓮夏。』
『じゃぁ、これからは毎日一緒に行けるね!星音お姉ちゃん!!!!』
『そうだね、一緒に行く?知音、蓮夏くん。』
『私はいいよ。蓮夏は?』
『別にいいよ。』
『じゃあ、今日帰るときに時間を決めようか。』
『賛成!!!!』
『とりあえず、電車、待っとこう?』
『うん。』
そして、ホームに行こうとした時…………
『きゃぁ!!!!!!!』
『誰かが落ちたみたい、星音、ちょっと私行って来る。』
『え?えぇぇ………待ってよ知音!』
後ろで叫んで注目を集めている星音をおいて、私は走った。
私がついた時には、人が沢山いると思って行ったら、全然いなくて逆にバカにしたような目で見ててビックリした。周囲の人に文句を言いたいのをこらえて話しかけた。
『大丈夫ですか?』
『えっ、あっ、はい……』
うーんどういう治療をすべきなんだろう……打撲と擦り傷と……なんて考えていると、星音達が来た。
『知音〜なんでカバンを置いていくのさ。』
『あっ、ごめん、星音。持ってきてくれてありがとう。』
私はカバンから、my救急ポーチを取り出した。
そして、処置を行っているあいだ、星音たちはヒソヒソと何かを話していた。
『処置できましたよ。』
『あ、ありがとうございます。』
そんな会話をしていると、突然星音が話し出した。
『あの……あなたは、Buru*Skyのピアノ、藤川 彩紀(フジガワ サキ)さんじゃないですか?』
Buru*Skyとは、今10代の若者に人気があるバンドで、私と星音が大好きなアーティスト。こんな所にいるわけないと思っていると、頭上から声がした。
『彩紀ちゃん、何してるの?』
その人物を見て、私と星音はポカーンとしていた。なぜならそこにいたのは、Buru*Skyのボーカル、深水 五月(フカミズ サツキ)さんだったから。
『ごめんね、彩紀ちゃんが迷惑かけたね。』
『大丈夫です。』
『立てる?彩紀ちゃん。』
『大丈夫。ありがとう。』
そして2人は去ってしまった。
『どうしよう、芸能人に会っちゃった♪』
『落ち着きな、星音。電車に乗らないと。』
幸いにも、私たちが乗らなくちゃいけない電車はまだ来てなかった。
『どうしよう、知音♪』
『はいはい、星音。』
『姉貴、電車きたよ。』
はっ!乗り過ごすとこだった。
『教えてくれてありがとう、蓮夏。』
電車に揺られながら、私はボーッとしていた。