並べられた玉の前に立ち、見よう見まねでかまえてみる。


白い玉に当てたらいいんだよね?

私はキュを引いて、思いきって玉を狙った。

私の狙いも、込められた力も上手くいかず、キューを玉の側面にかすめ、フラフラと転がっていった・・・


「・・・アレッ?」

全然当たんない!!

背中に冷や汗をかいた。



見かねたマスターが、

「結希ちゃん、構えが・・・」

といい、私のキューを手に取り、後ろから包み込む形で、教えてようとしてくれる。


その腕を、綾辺さんが掴む。


「安堂さん?それ、アナタの仕事じゃないでしょ?」


やべっ!っと、いわんばかりにマスターは、私から離れ、キューを霧澤さんに渡した。