スゴいハンデだ!!


玉の打ち方をしっかりレクチャーしてもらえれば、初心者の私にも勝てる気がしてきた。


綾辺さんの話を聞いているうちに、台の玉はだいぶ少なくなっていた。


「会長、それ狙っちゃう?俺、負けるんでない?」

「当たり前だ、お前の負けなんだよ」


二つの玉の連鎖で、9番がポケットに沈められた。


「さすが、会長!」

綾辺さんは、軽く拍手する。


「酔ってる奴には、負けねぇ」

「酔ってねぇし、アンタも飲んでんでしょ」

二人のやりとりを見ていた私に、霧澤さんがキューを渡してくる。


「とりあえず、やってみろ」


それをしかと受け取り、人生初のビリヤード、がんばります。