この道を見つけてから今まで、私以外の人が歩いているのを見たことが無い。
「目の……錯覚……?」
向こう側から誰かがふらふらと歩いて来る。
太陽の光が当たって、茶色く見える、ふわふわとした、わたあめのような髪の毛。
白いTシャツを着ていて、チェック柄のシャツを腰に巻いている。
男の子だろうか。
親の仕事の都合で引っ越しを何度か繰り返して来た私には、女の子の友達も少なかった。
男の子との交流など、一切無かった。と、言っても過言ではない。
そんな私に、その人は声をかけて来た。
「あの……此処は……一体……何処ですか⁇」