「夏目くんが思っているよりッ…、私、強くないッ……!!」 静かな空間に私の声だけが響いた。 怒鳴っちゃうし、夏目くん何も言わないし、もう嫌だ。 掴まれた腕を振り払い、私は無我夢中で走った。 何でこうなるんだろう。ただ、好きなだけなのにどうして上手くいかないんだろう。 好きという気持ちだけじゃ、恋愛は成立しないんだろうか。 嫌いなら、近付かないで。 迷惑なら、話しかけないで。