面倒くさそうに夏目くんが答える。


「夏目くん、エスパーですか?」


「あんたが分かりやすいだけです」


今日も変わらずに、私には冷たい夏目くん。


私はこんなにも夏目くんが好きなのに、いつも一方通行。


「あ、この子が噂の夏目くん大っ好きっ子?」


興味津々に夏目くんの隣に居た人が、顔を除き込む。


「やめろ、鍋内。その人、俺には一番迷惑な人だから」


どうやら彼は鍋内くんと言うらしい。