キッと睨んでみて、攻め手の抵抗の意思。


「なにその顔。逆効果だけど、いいの?」


ワザとらしいリップ音を立ててほんの一瞬触れた。


こんなの、私、知らない。


恥ずかしさでおかしくなりそうなのに、離れてしまうと寂しいなんて思ってしまうなんて…。


いいの?って何。


余裕そうな夏目くんが、嫌で仕方ない。


やっぱり私だけが好きなんじゃないかって思っちゃう。