「っん・・・」 気づいた時には、私と夏目くんの唇が重なっていた。 そっと夏目くんの指が私の頬を撫でる。 ほんの数秒が、何十分と感じられた。 ゆっくりと離れたかと思えば、そのままぎゅっと強く抱きしめられる。 あの時感じた、レモンの匂いが鼻をかすめる。 「怖かったんでしょ?無理しなくていいから」