「す、すみませんっ・・・」


その人からはタバコの匂いと、お酒の匂いがした。


「お嬢ちゃん、ちゃんと前向いて歩いてた?わざとぶつかったんじゃねぇの?」


じわじわと、距離を縮められる。


怖い。ただ、それだけだった。


逃げろと本能で感じているのに、恐怖から足が思うように動いてくれない。


「ち、違います!!」