小さな展望台が一つある、ただただ平凡な所だ。 「こんな所に、展望台なんてあったんだ・・・」 「知らなかったでしょ?」 「全然知らなかったよ・・・」 小林くんはそこから見える景色に夢中のようで、返事はするものの視線はその景色に向けたままだった。 「私ね、小さい頃お母さんと一緒にさっきの商店街に買い物によく来てたんだ。だけど、その時のほんの出来心でお母さんの事、困らせちゃおうって思ったの」 あの頃は弟が生まれたばかりだった。