「苦しいよ、夏目くん……」


春だというのに、私の心は冬だ。


ポタポタと地面に黒い染みが出来る。


何滴ものの黒い染み。


それはきっと、すぐには止まない。


私は膝を抱えて、一人泣いた。


「夏目くん……」


大好きな、彼の名前を呟いて。