そんな気持ちとは裏腹に、沢山の人の中でも彼はすぐに見つかった。


「───小林くん」


声を掛けると、申し訳無さそうに顔を歪めた。


「おはよう、中村さん」


「うん。おはよう....」


初めて学校以外で会う小林くん。


よく考えると、男子と出かけた事もないような気もする。


そのせいか、心臓がドクンドクンとうるさく脈を打つ。