だけど、私はきっと夏目くんしか好きになれない。


「自分でも言うのはなんだけど、中村さんを好きな気持ちはきっとアイツより上なのに。俺なら、何度でも泣かせたら後を追うし、涙も拭いてあげるのに」


「・・・うん」


「言ったよね?少しでも好きがあれば、狙うからって」


一層のこともう、強引にでも奪ってほしい。


私の夏目くんへの気持ちごと奪ってくれれば、楽なのに。


トンっと、肩に小林くんの額が触れる。


「──なんで、中村さんを好きな事が、こんなにも苦しんだろうね」


そう、小林くんが呟いた。