もちろん、夏目くんは追いかけてはくれない。 分かってはいたけど、こうも簡単に現実になると温度差を感じてしまう。 どうして、夏目くんは秘密でなら付き合おうって言ったの? どうして夏目くんは、手を繋いだの? 分からない事がおおすぎて、溢れる雫が止らない。 「夏目くんっ・・・」 泣いて歩く私を、すれ違う人が何事かと、見ている。